雷舞 -LIVE-
アースシネマズ姫路 プレミアムサウンドシステム
映画音響を支える3要素が、『声』『音楽』『効果音』と呼ばれています。
アースシネマズ姫路スクリーン6のサウンドシステムは、この3要素を最高のバランスで再生できるシステムを目指しました。
そのためには、メインスピーカーはもちろん、サラウンドスピーカー、サブウーハー、そしてそれをドライブさせるパワーアンプ、プロセッサー全てが良質である必要があります。
妥協のない音響機器と妥協のない建築空間に、最高の音響調整が施されてこそ3要素の効果が最大限に発揮されるのです。
それを実現するために、イースタンサウンドファクトリー・デザインチームは、位相感が良く、ダイナミックレンジの広さに対応でき、奥行き再生に優れたメインスピーカーとサラウンドスピーカー、そして美しい超低域を提供するベースラインアレーを考え出しました。
その目的は、映像と寄り添い、映画音響の持つ魅力を最大限に引き出すことでした。
メインスピーカー
- 高域・中域
- 1.4インチ径スロートのコアキシャル・コンプレッション・ドライバーを、特殊樹脂製の大型ホーンに搭載。
- 高域と中域が同じ位置から再生されることで位相感が良い。
- 大型ホーンの効果により高いダイレクティビティ(指向性)を実現。
- 低域
- 15インチウーハー2本を、24mm厚の木製キャビネット(バスレフ方式)に搭載。
- 強固なボイスコイルの高耐入力型ドライバーを、剛性の高いキャビネットに組み込み、自然で力強い低音を再生。
- 振動板
- 高域・中域:熱に強い特殊樹脂 / 低域:【両面】樹脂コート紙
- 磁気回路
- 高域・中域:ネオジム磁石 / 低域:フェライト磁石
繊細なセリフから力強い低音まで正確に再現できるメインシステム
サブウーハー
- ドライバー・キャビネット
- 放熱効果を高めるため、ラジアルテクノロジーを採用した18インチドライバーを搭載。キャビネットは24mm厚の木製で、ショートバックロード方式を採用。
- 振動板・磁気回路
- 振動板:樹脂コート紙 / 磁気回路:フェライト磁石
- サブウーハーを10本同一ライン上に配置し、水平方向のベースラインアレーを構築。
一般的にサブウーハーは左右に2本設置されることが多く、この場合は周波数によって波紋が異なり、各所でビーミングが発生する。
アースシネマズ姫路【雷舞-LIVE-】では横方向10本並べたサブウーハーのタイムアライメントを調整し最適化。
従来難しいとされていた低域の指向性コントロールを実現。席による偏差を埋めることが出来た。
映画音響において最も難しいとされる美しい低音再生を可能にし、その効果は絶大となる。
サラウンド
- 高域・中域
- コアキシャル配置
- メインスピーカー同様に高域と中域が同じ位置から再生されることで位相感が良い。
- 高域用アルミダイキャストホーンの効果を加え高いダイレクティビティ(指向性)を誇る。
- 低域
- 12インチドライバーを18mm厚の木製キャビネット(バスレフ方式)に搭載。
- 大型ウーハーにより正確な低域再生が可能。
- 振動板
- 高域:熱に強い特殊樹脂 / 中域:樹脂コート紙/ 低域:【両面】樹脂コート紙
- 磁気回路
- 全域:フェライト磁石
メインスピーカーのように広帯域で力強く鳴る3ウェイシステム
イースタンサウンドファクトリー・デザインチーム
1877年、トーマス・エジソンが蓄音機を発明することによりスタートした録音芸術は、映画界においてサイレント期と呼ばれた創世記にはまだ活用されていませんでした。
1926年に製作された『ドン・ファン』で映像に音声トラックが初めて付けられ、1927年『ジャズ・シンガー』の登場により本格的な映像と音声トラックの同期が始まりました。いわゆるトーキー映画の幕開けです。
それ以来、録音は映画の発展に貢献し続けてきました。そしてその録音芸術は、映画音響と呼ばれるようになり、高度な技術の蓄積は100年の歴史に到達しようとしています。
映画において、映画音響の与える印象は映像よりも強いと言われています。また映画音響は、錯覚のアートとも言われ、音によって作品に引き込まれた観客は、それを本物に思い、感情を大きく左右されます。
宇宙に飛び立つ飛行船や、怪獣たちの戦い、迫力あるカーチェイスや戦国時代の騎馬戦など、その多くの音は映画に携わるサウンドエンジニア達によって造られた音なのです。
その音は様々な名シーンを生み出し、多くの人々を感動させてきました。
音楽は、ありもしない奥行きを映画から取り去る代わりに、詩的な奥行きを生み出す
エンニオ・モリコーネ
映画は音響により奥行きを得るのかもしれません。
その奥行きの構成要素が『声』『音楽』『効果音』なのかもしれません。
最終的に我々が今回開発したものは、映画が持つ詩的な奥行きを最大限に発揮できるシステム──なのかもしれません。